運航時の事故や電波障害に関する対策
ラジコン飛行船の重量、浮力
ラジコン飛行船はヘリウムガスの浮力によって、基本的には常時浮いています。浮いている船体が徐々に降り始めるまで数グラム程ウエイトを足します。現場の状況によりますが、重量はおよそ100g程度。万が一人や機材の上に落ちても被害はほぼありません。また、ゆっくりと降りてくる浮力に調整してあるため、落下の危険がある場合はオペレーターまたはサブスタッフがラジコン飛行船の下まで行き、落下前に回収することが出来ます。
係留時はウエイトを抜き浮かせておき、看板や展示物として使用します。
大きい見た目とは違い片手でも支えられる程度の重量になっています。
ラジコン飛行船の安全性
ラジコン飛行船はゴム風船のように軽く押せば浮いていく状態で、ドローン等のように常に高速回転でプロペラを回転させる必要がなく場合によっては停止させています。空調や風、温度等の状況に合わせて少しずつプロペラを回し、その惰性で飛ぶので状況によってはプロペラが回転していなくても飛行しています。強風に煽られる等の緊急の場合、万が一人の上に落下という状況になってもプロペラを停止させ、巻き込みによる怪我などを防ぎます。
ゴンドラやプロペラガード等外側の機材はポリカーボネートや発泡スチロール等軽量で比較的柔らかい素材で出来ています。それに加えて浮力が十分にありますので万が一会場の機材や人に接触しても被害は殆どありません。万が一の場合には対人対物イベント保険が適応されます。
カメラや特殊効果の機材は全てラジコン飛行船に付いたフックにパイプで通し、インシュロックやワイヤーで落下防止、プロペラの周りにはガードを付けて事故防止、仕様によっては下部ではなく船体の横に取り付けることによって、ラジコン飛行船着陸時周囲とプロペラの接触を無くします。
墜落や衝突に関する対策
会場の設備等に接触する等の事故が発生した場合、ラジコン飛行船自体は柔らかい塩ビの生地で出来ており設備が破損する事は殆どありませんが、万が一の場合には対人対物イベント保険が適応されます。また、機材等に衝突しラジコン飛行船の塩ビ生地が破けてしまっても徐々にガスが抜ける程度なので、この場合も直ちに落下することはありません。塩ビの裂け目、穴等の補修は、破損状況にもよりますが、予備の塩ビ生地を接着することで、およそ5分~10分程度で現場での補修が可能です。
電波障害に関する対策
リハーサルやフライト直前まで入念にチェックを行いますが、それでも無線障害によるコントロール不能状態になった場合、フェイルセーフによりすべてのプロペラが停止し、飛行船がゆっくりと降りてくる状態、またはプロペラを上向き、舵を左右どちらか一方に回転させ、上空を周回する仕様にし墜落しないようにするか、現場の状況で判断します。降りてきたラジコン飛行船回収後、電波障害回避の為送受信機のチェック、交換も同時に行い、問題なければ再度フライト致します。ラジコン飛行船の電波は72MHz、40MHz帯を使用しており、最近の機材で主流の2.4GHz、5GHz帯との混線等は殆どありません。